【ネタバレ注意】「白鯨との戦い」を観た感想

この記事は、DVDレンタルされている映画「白鯨との戦い」の
ネタバレ要素を含んでいます、あらすじを秘密のままにしておいて欲しい人は
絶対に読まないようにしてください。

TVのCMで、これはみないといけないとばかりにCMしていたのを思い出して、
プレイステーションビデオで「白鯨との戦い」を見ました。
「白鯨」という小説は名前だけは知っていたので、「白鯨」を映画化したのかな、
と思いましたが、なにやら「白鯨」を書く前のお話し?詳しいことは、
「白鯨」を読んだことがないのでわかりませんが、そういうあらすじでした。

メディア倫理委員会があれば、苦情を言いたいくらいな点がひとつあります、
この映画、R15指定でもないのに、すごく残酷なシーンがあります。
遭難して食料がなくなるのですが、船員の死骸を食べるシナリオがあります、
まえもってそういう残酷な話ですよとR15指定でもいれてくれればいいのですが、
いきなりそういう話にあらすじが流れていくので、吐きかけました、
映画館でポップコーンを食べながらみる映画ではないことは確かかもしれません、
しかし、この残酷なシナリオがストーリーの要点のひとつになっていて
そして、作品自体に深い意味付けを持たせています。

作家が「白鯨」を小説にしようと、白鯨に沈められた船の最後の生き残りに
取材を申し込むのですが、生き残りのおじいさんは長年それを語らずに来ました。
理由のひとつとして、自分が仲間の船員の死骸を食べたという非人道的な面もある
ことをして生き残ったことを知られて、周囲から非難をされることを恐れて
いたようなのです、それで長く口を閉ざしていたようなシナリオがありました。
このシナリオを見たときに、私は大きな感想を持ちました、
帰還した旧日本軍の兵隊さんが、あまり戦時中のことを語らないという話と
比べてしまったのです、戦場であれば日常では ほとんど起こり得ないような
想像を絶する経験をたくさんしたんだろうなと考想しました、
私は、戦争中の経験をあまり語ってこなかった お年寄り達をいくじなしだと
思っていました。しかし、この「白鯨との戦い」を観て、考え方が変わりました。
映画に出てきたような経験を語られたときに、普通の人は言葉を拾ってあげる
ことができないだろうし、許してもらえるのかと避難を恐れる体験者を
守ってあげる力もありません。それなのに話を聴いてあげるよなんて言ったら、
それは無責任きわまりない偽善だと思うのです。

悪魔が好むのは語られぬ秘密です。心の奥底にある苦悩です。

そんな言葉が映画には出てきます。ただ話をきいて心の奥底にある苦悩から
人を救うだけなら誰でもできると考えていました。けれど、本当に
誰かの話を聴いてその人を救ってあげるようなカウンセラーのようなことは、
本当に強い意志や精神や知識をもった人でなければ出来ないのだなと、
強く感じさせられる映画でした。真実を知る権利には責任も伴うのだなと考えました。

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