メキシコに関税をかけて代金を支払わせる?!

アメリカがメキシコとの国境の壁の代金を輸入関税で賄うことでメキシコに代金を支払わせることになるとしていることについての疑問です。

 ①メキシコで生産された製品
 ②アメリカで消費されるメキシコ製品
 ③アメリカで生産された製品
 ④メキシコで消費されるアメリカからしか買えない製品

メキシコの輸出品(①)に関税をかけるということは、たしかに輸出の時点でメキシコの企業がアメリカに、お金を支払うという過程は通るとしても、最終的に①は②となるのだから、関税の価格は消費をするアメリカ人の購入価格に転嫁されるケースがでてきます。こうなると、壁の建設費(関税)を負担するのは、メキシコからの輸入品(②)を買ったアメリカ国民であり、壁の建設費をメキシコが支払ったことにはなりません。アメリカ国民の誰かが支払ったことになります。 そうならないようにするには、関税をかけても②の価格は上昇せずに、①の価格が下がるだけ品目にだけ関税をかけるか、メキシコがアメリカから輸入するしかない製品を探して③と④の間に関税を敷く必要があるように思います。一律にメキシコからの輸入品すべてに関税をかけても意味がないということを言いたいのです。 いまのトランプ大統領はアメリカに投資をしない企業にTwitterで攻撃をしかけていますが、これもいつまで続くでしょうか。 仮にメキシコにトヨタが工場をつくらなくなったり、世界中の企業が途上国につくろうとしていた工場をアメリカに建てることにしたとしても、限界はあると思うのです。 理由は、1990年代のときのようにアメリカだけに財力があるわけではないということです。中国がメキシコや他の途上国に投資を始めたらどうなるでしょうか?アメリカが奪った投資を中国が埋めてやるとなれば、全部ではなくても いくつかの国は中国に靡くのではないでしょうか。それは、アメリカにとっては良い構図ではないと思うのです。もちろん、日本にとっても都合の良い構図ではありません。 トランプ大統領を含めた多くのアメリカ人に、そういった話をうまく説明したいという衝動にかられます。 中国とどういう構図になるかというと、TPPが対中国包囲網と言われていたのと逆で、中国に対アメリカ包囲網を敷かせるチャンスを与える構図になるのではいかということです。

0コメント

  • 1000 / 1000