IF:「犯罪者 黒ペンギン」


西暦 2014年

黒ペンギンというペンギンがいた。

黒ペンギンは、求愛ダンスの練習の甲斐もあって、彼女をゲットした、

シャチを二人でおちょくるデートをしたり、流氷にのって南極海を一周したり、
小魚をふたりで漁りにいったりと幸せな日々を送っていた。

幸せな日は、二人でオーロラを観に行った夜に終わった。

黒ペンギン「俺、泳ぐの得意でさ~。オーロラも天文学部卒だから見つけるの上手いんだ」

桃ペンギン「黒ペンギンさん、ごめんなさい、、、実は、、。」

黒ペンギン「何?どうしたの?オーロラ嫌いだった??」

桃ペンギン「ううん、違うの、、、実は、、他に好きな人ができちゃったの、、」

 (中略)

黒ペンギン「そんな!!俺と別れるなんて、嘘だよね、、マジで、、?」

 (中略)

その日、黒ペンギンは夜明けまで泣き続けた。

黒ペンギン
 「なんでだよ・・・いつからだよ・・・・、あんなに毎日のように楽しそうだったのに、
  なんでなんだぁあああああああああああああああああああああああああああ!!!」

どうしても受け入れられない黒ペンギンは、パソコンを起動してスカイプを使って
桃ペンギンにメッセージを送ってみたが、返事は返ってこなかった。

南極海を一周のときの流氷探しに徹夜した、天文学部卒も嘘で、
オーロラが見れる日程も一睡もせずに専門誌やウェブサイトで
日程の情報を調べたりしていたのだった、
黒ペンギンは、本当に桃ペンギンが好きで、見えないところで彼女のために
必死で努力していた。泳ぎも下手だったが、二人で漁をするために
死ぬほど泳ぎの練習をしたこともあった。

LINEや携帯メールで、別れたくないことと、他に好きな人ができたことについての
理由を教えてくれと何度も連絡をとったが、もう連絡してこないでという一文だけで、
返事はこなくなってしまった。それでも何度も連絡をとったが、最終的には
連絡がとれなくなってしまった。黒ペンギンは泣き続けた。

桃ペンギンの家の近くまで行って、直接話をしようとしたこともあったが、
そんなことをしているうちに警察から、つきまとい禁止法違反の手紙が届いた。

黒ペンギン
「俺は、何も悪いことなんかしてない!こんな法律、間違ってる!」

ブログサイトで、桃ペンギンの新しい彼氏のことが書かれていた、
元彼より漁がうまいとか、乗り換えて正解だったとか、
他にもいろいろなことが書かれていた。
ブログのコメント欄には彼女の友達がコメントしていた、
しつこい元彼なんて警察つかって刑務所にいれてしまえばいいとか、
将来性のない元彼みたいなのとは別れて正解だよ、
といったことが書かれていて、桃ペンギンも相槌を打つようなレスをしていた。

 (中略)

恋愛感情が満たされなかったことに対する怨恨の感情を充足するためというより、
黒ペンギンに、こんな雌は この世からいなくなったほうが全人類の
じゃなかった、 全鳥類の ためになるという 言葉にならない感情が芽生えた。

ある日、黒ペンギンは帰宅途中の桃ペンギンを殴り、
桃ペンギンはPTSDで入院して危篤状態になった。

 (中略)

虹色ペンギン「公判を開始します、裁判官の虹色ペンギンです。」

黄金ペンギン「起訴事実 (中略)。」

虹色ペンギン「被告人は、起訴事実に間違いはありませんね?」

黒ペンギン「はい・・・。」

黄金ペンギン
「平和な南極大陸で、このような異常行為を行う被告人は、全鳥類の敵であり
   
 この世からいなくなったほうが全鳥類のためになります、よって極刑にすべきです。」

黒ペンギン「・・・・。」

  チャラララ~ン♪ちゃら~~ん♪ (BGM)

赤ペンギン「参上ぉおおおおう!」

 場に変な空気が漂った。

虹色ペンギン「・・・・。」

黄金ペンギン「・・・・。」

黒ペンギン「ウザい・・・ウザすぎる・・・。」

赤ペンギン
「NEWSポストによると、ストーカー化するタイプについて、NPO「ヒューマニティ」理事長で、『「ストーカー」は何を考えているか』(新潮新書)の著書がある小早川明子さんは、一見、真面目で律儀そうで、約束を破られると一転して激高したり、メールを返信しないと怒るタイプは要注意。用事がないのに1日5回以上メールを送ってくる男性などもストーカーに多いとしています。 また、法政大学文学部(犯罪心理学)教授の越智啓太さんは、プライドが高く周囲となじめず、同性の友達が少ない。その分、自分を認てくれる数少ない人間に過剰に入れ込みます。『おれは医学部卒』などと見栄を張ってウソをついたり、メールを盗み見したりするなど監視癖のあるタイプ といった例をあげています。」

赤ペンギン
「本人の日記や友人らからの証言からして、被告人は、これらのストーカ化しやすいタイプに該当します。被告人は元々、ストーカー化しやすいタイプだったのです。性格とは様々な要因が重なり人格を形成して性格となっていきます、被告人はストーカーになろうとしたのではなく、不可抗力によってストーカー化してしまったのです、鳥類はその鳥の性格や人格というものを理解しない種族なのでしょうか。違うと思います!」

虹色ペンギン「・・・・。」

黄金ペンギン「・・・・。」

   赤ペンギンは、警備に担ぎあげられ追い出された。


















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